TFCC損傷と後遺障害等級の認定について
交通事故を遭った場合に、特にハンドル操作が必要な車やバイク、自転車に乗ったまま事故に遭った方などが、ハンドルを握り追突をうけたときの衝撃や、転倒して強く手をついたときに発生するTFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷と呼ばれる、手首への損傷を発生するおそれがあります。
そこで、TFCC損傷について、その症状や後遺障害等級認定を詳しくみていきましょう。
ひとえに、手首損傷といっても様々ですが、TFCC損傷とは手の甲側小指下の三角型をした軟骨や靭帯で組み合った軟体組織とよばれる部分が裂傷することをいいます。
テニスや野球など手首を酷使するスポーツでもおこりやすい損傷であるといえます。
手首は日常生活において非常によく使う部位であることから、損傷による日常生活への影響ははかり知れず、長引く可能性もあります。
そのため、後遺障害等級の認定を受けられるか、どの等級に認定されるか、今後の生活において非常に重要な事項になります。
TFCC損傷の症状について、後遺障害として認定される等級は、次のとおりとなります。
①しびれ等神経症状や痛みが残存し、痛みの原因が医師による診断がつかない場合には、14級9号
②重いものや買い物時に荷物をもつ手に鋭い痛みが走り、しびれ等の神経症状や痛みが残存するときで、他覚所見がある場合には、12級13号
③損傷した手首を動かせる範囲が4分の3以下になってしまった場合には、12級6号
④損傷した手首を動かせる範囲が2分の1以下になってしまった場合や人工の関節等を置換手術した場合には、10級10号
後遺障害等級認定の申請をするうえで、正確な診断が必要となり、初期での診断や一般的なレントゲン検査では診断ができないおそれもあるため、専門機関での精密検査や、MRIでの検査を行う必要があります。
また、現実的な問題として、交通事故発生後経過してから発覚することが多くあるため、長期にわたる治療により痛みの原因を証明できずに認定を受けていない場合もあります。
さらに、後遺障害等級認定を受けるために煩雑な手続きをしなければならないため、早い段階で弁護士を相談することをお勧めします。