自賠責保険
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自賠責保険とは、「自動車による人身事故の被害者を救済するため、被保険者が被害者に自賠法3条の損害賠償責任を負担することによって被る損害につき、一定額を限度として填補する保険」です。
自動車は、自賠責保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が締結されているものでなければ運行の用に供してはならないとされるため、すべての自動車は自賠責保険の締結を義務付けています。
そして、自賠責保険に加入するには、損害保険会社と自賠責保険契約を締結することになります。
被保険者が被害者に対して損害を賠償した後に、被保険者が自賠責保険会社に保険金を請求して、支払いを受けることができます。
また、被害者自身が自賠責保険会社に直接損害賠償を請求して、支払いが受けることができます(被害者請求)。
さらに、被害者が治療費などの当座の費用に充てるために、仮渡金として一定の金額を自賠責保険会社に請求する制度もあります(仮渡金制度)。
自賠責保険では、損害保険料率算出機構による被害者の後遺障害等級認定手続が整備されており、後遺障害による損害の賠償の支払いを受けるうえで、被害者の負担が軽減されています。
支払限度額
自賠責保険は被害者が死傷による生じた損害を対象とするものであり、政令において、支払限度額が定められています。
自賠責保険の支払限度額は、分類毎に、以下のとおり、となります。
- 傷害に関する損害は、120万円が上限となります。
- 後遺障害に関する損害は、その等級に応じて、75万円から4000万円に分類されています。
- 死亡事故に関する損害は、3000万円が上限となります。
自賠責保険の対象
自賠責保険は自動車の運行によって他人を死傷された場合の損害(人的損害)を対象としており、物損はその対象とはなりません。
過失相殺
裁判では、交通事故では被害者にも過失がある場合には、過失相殺され、賠償額は減額されることになります。
一方、自賠責保険では、被害者救済を目的とした保険制度でありますので、被害者の過失割合が7割以上認められる場合に限り、定率方式による減額がなされることになります。
すなわち、被害者の過失割合が7割未満の場合には減額されませんので、被害者にとって有利な取扱いがされます。
免責事由
「保険契約者又は被保険者が悪意で事故を発生された場合」及び「戦争その他の変乱によって生じた損害」についてそれぞれ免責事由として、自賠責保険は適用されません。