頭顔部
交通事故で、顔や頭の部分にケガを負ってしまった場合をご紹介します。
顔や頭の部分は、通常「目」「耳」「鼻」「口」に分けて考えます。合計で52もの基準があります。
ただ、数値化されたデータ(例:視力、聴力など)や客観的な事実(例:失明した、聴力を失った、など)に基づく基準が多いので、認定等級をめぐる争いは比較的少ないのが特徴です。
以下のような症状が、代表的な例として挙げられます。
◇失明してしまった
◇視力が落ちてしまった
◇視野が狭くなってしまった
◇近くや遠くを見ようとするときに、焦点(ピント)を合わせにくくなってしまった
◇物がぼやけて見えたり、二重に見えたりする
◇まぶたの一部が欠けてしまい、目を完全に閉じることができなくなってしまった
◇耳が聞こえにくくなった
◇聴力が落ちてしまった
◇耳鳴りがするようになった、あるいは実際には鳴っていないはずの音に悩まされるようになった
◇耳の一部が欠けてなくなってしまった
◇においを感じにくくなってしまった
◇鼻での呼吸ができなくなってしまった、あるいは難しくなってしまった
◇鼻の一部が欠けてなくなってしまった
◇食べ物を噛めなくなってしまった、あるいは噛みにくくなってしまった
◇味を感じにくくなってしまった
◇言葉をうまく話せなくなってしまった
◇歯を失ってしまい、義歯やインプラントなどで修復した
目の障害
目については、以下の26基準が関係します。
▽第4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
▽第5級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
▽第6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
▽第7級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
▽第8級1号 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
▽第9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
▽第9級2号 1眼の視力が0.06以下になったもの
▽第9級3号 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
▽第9級4号 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
▽第10級1号 1眼の視力が0.1以下になったもの
▽第10級2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
▽第11級1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
▽第11級2号 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
▽第11級3号 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
▽第12級1号 1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの
▽第12級1号 1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの
▽第12級2号 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
▽第13級1号 1眼の視力が0.6以下になったもの
▽第13級2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
▽第13級3号 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
▽第13級4号 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
▽第14級1号 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
また、現実には少ないケースですが、目が見えなくなってしまう「失明」が伴うものは、以下のような第1級、第2級、第3級の基準に該当します。
▽第1級1号 両眼が失明したもの
▽第2級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
▽第2級2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
▽第3級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
耳の障害
耳については、関係する基準は下記の14項目あります。
▽第4級3号 両耳の聴力を全く失ったもの
▽第6級3号 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
▽第6級4号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
▽第7級2号 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
▽第7級3号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
▽第9級7号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
▽第9級8号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
▽第9級9号 1耳の聴力を全く失ったもの
▽第10級5号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
▽第10級6号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
▽第11級5号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
▽第11級6号 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
▽第12級4号 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
▽第14級3号 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
鼻の基準
鼻については、基準は下記の一つのみです。
▽第9級5号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
口の基準
口については、下記の11基準があります。
▽第4級2号 咀嚼及び言語の機能著しい障害を残すもの
▽第6級2号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
▽第9級6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
▽第10級3号 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
▽第10級4号 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
▽第11級4号 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
▽第12級3号 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
▽第13級4号 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
▽第14級2号 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
さらに現実の事例としては少ないですが、ものをかむことができなくなったり(つまり点滴や流動食での生活を余儀なくされるということです)、言葉を話せなくなってしまったりしたケースでは、以下のような第1級、第3級の基準に該当します。
▽第1級2号 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
▽第3級2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの