外傷性胸郭出口症候群
交通事故用語集に戻る→外傷性胸郭出口症候群とは、物理的な作用により、神経傷害と血流障害に基づく上肢痛、上肢のしびれ、頚肩腕痛が生じる疾患のことをいいます。
胸郭出口症候群の症状として、上肢のしびれや肩・腕・肩甲骨周囲に痛みが生じたり、尺骨神経領域の疼痛、知覚障害、握力低下、巧緻運動障害、上肢・静脈の血行が悪くなるなど諸の症状が見うけられるようになります。
そして、頚部、肩、腕に神経や血管の圧迫症状が存在し、愁訴が比較的長期間持続するか反復することを前提にして、症状誘発テストの陽性所見があるときに、胸郭出口症候群と診断されています。
自賠責の後遺障害等級認定では、胸郭出口症候群と診断されて、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号と認定されることもありますが、他覚的所見が乏しいことから、局部に神経症状を残すもの」として14級9号もしくは非該当とされることも多いようです。
裁判例では、個別事情を勘案して、胸郭出口症候群と事故との関連性を否定された事例もありますが、「局部に神経症状を残すものと」として14級9号が認められた事例や「局部に頑固な神経症状を残すものと」として12級13号が認められた事例もあります。