高次脳機能障害
交通事故用語集に戻る→高次脳機能障害は交通事故などの外傷によって脳に損傷を受けたことにより生じる障害で、感覚障害や知的障害を主として、その症例は損傷を受けた箇所により多岐に渡ります。
身体的な症状としてはほぼなないか軽度なものですが、感覚障害、言語障害、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの症状により、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼします。
高次脳機能障害は後遺障害の中でも複雑なものであり、医学的に全て解明されているわけでもありせん。
高次脳機能障害は、自賠責の認定基準で「脳の器質的精神障害」に分類され、最も重度なものは1級とされますが、脳の外傷により生じたものではない場合には「非器質性精神障害」として原則9級より低い等級としか評価されないことから、損害賠償請求の際にはその症状が脳外傷によるものかどうか争われることが多く、その立証が特に難しい障害です。
そのため、裁判において高次脳機能障害の有無について争いが生じた場合、弁護士の力量がその裁判の結果を大いに左右します。
脳外傷の判断については、①意識障害の有無と程度・長さ、②画像(CT、MRI等)資料上で外傷後ほぼ3か月以内に完成する脳室拡大・びまん性脳萎縮の所見、③外傷と障害の因果関係の検討が必要とされています。